生理中のかゆみ

女性の隠れた悩みに「生理中の外陰部のかゆみ」があります。
主として生理用のナプキンが当たる部分がかゆく、膣の入口付近を掻いて、
出血したり、ヒリヒリ嫌なかゆみが起きます。
大手ナプキンメーカーによるとアンケートを取った74,4%の人が経験がある、と回答したそうです。
この皮膚の角層は足では30層ありますが外陰部の角層は2~6層と薄いので、こすれるとかゆくなります。
痒みの感じ方は個人差がありますが、ナプキンは化学繊維ですので皮膚の弱い人、
乾燥肌の人は特に感じやすいのでしょう。

対策として一つは布ナプキンに変えてみましょう。
当薬局でもこうした悩みを訴える方は多く、布ナプキンに変えたら楽になった、と言われる方もいます。
可愛い柄の物が市販されています。
トイレの水でざっと洗い流した後、ビニール袋に入れて持ち帰り、
家では洗剤を溶かしたふた付きバケツにつけておいて洗えばきれいになり、何回も使えます。
赤ちゃんの布おむつも以前はこうして洗ったものです。

対策の二つ目として漢方の軟膏がよく効きます。
NHKの「あさいち」ではステロイド軟膏を勧めていましたが、長期使うとステロイドは皮膚を薄くしますし、
デリケートな部分ですからステロイドはなるべく使いたくありません。
その点漢方の軟膏は皮膚を丈夫にしてかゆみを止めますので、優れものです。
この漢方の軟膏は床ずれなどの皮膚が弱ったところにも威力を発揮します。

対策の3つ目として、それでもかゆく、陰部の中までかゆいときは漢方生薬を煮た汁を冷まして患部に当てますと、
とても楽になった、と喜ばれます。
浴室や洗面所でできます。
また月経血の量が多いとその月経血でかゆくなったり、においが強く感じられます。
量が多いと生理痛の原因となり、貧血にもなります。
量の多すぎる人は血熱(血が熱をもっていること)や脾虚(胃腸系が弱いこと)があるので、
血熱や脾虚を治す漢方薬を飲めば量はちょうどよくなります。
注意としては外陰部や膣内を洗いすぎないことです。
シャワーで軽く流すだけでよいです。
洗いすぎると皮膚に刺激があるだけでなく、よい雑菌もいなくなり、逆に大腸菌やカンジダ菌に負けてしまって、
膀胱炎やカンジダ膣炎になる恐れが出てきます。
悩んでいないですぐ相談してください。早く楽になります。

文責 薬剤師 中国政府認定國際中医師 植松 光子  2013年10月27日