アトピー・不妊治療のウエマツ薬局

花粉症・風邪・蓄膿症・鼻茸

中医学では、こう考えます。

花粉症

  • 原因

    ・花粉症の原因は「風邪(ふうじゃ)」の侵入によって起こるもの。

風邪が花粉を運び、寒邪と熱邪と結びついて体に入り込むことで花粉症が引き起こされるのです。
体質の面から考えると、体の抵抗力が不足している「気虚」の状態にある人は花粉症にかかりやくなります。
中医学では肺は鼻や皮膚とつながっていると考えます。
そのため、肺の機能が弱くなると皮膚の防御機能が弱まって邪気が入りやすくなり、鼻水や皮膚のかゆみ・赤み、目のかゆみ(白目も肺に属する)といった症状が現れるのです。
また、水分を全身に運ぶ脾胃の働きが弱くなることも、多量の鼻水や鼻づまり、まぶたの腫れといった症状を引き起こす原因となります。

  • 治し方

    ・鼻水やくしゃみなどの症状を抑える「標治」と、体質を調整する「本治」を併せて行う。

花粉症に対処するためには症状だけを抑えても根本的な解決にはなりません。
そこで中医学では鼻水やくしゃみなどの症状を抑える「標治」と、体質を調整する「本治」を併せて行います。
症状が強く出る花粉の季節に行う標治は、水分の偏りを解消し、過剰な水分を取り去る「利湿」作用の強い中成薬を用います。
これに対し、本治は気虚の状態を改善し、正気(体の免疫力)を高めるもの。
肺気虚の人は肺を強く、脾気虚の人は脾胃を強くすることで体内の気や水のバランスを整え、病邪を寄せ付けない体をつくります。

  • 食生活のポイント

    食事は体づくりの基本です。
    栄養バランスが崩れると免疫力も低下しますから、米などの主食、肉や魚、豆腐などの主菜、野菜中心の副菜など、バランスのとれた食事が大切。
    特に免疫力を高めるビタミンやミネラルが不足しないように心がけるのがポイントです。

  • 生活養生のポイント

    風寒タイプ/肺寒型
    【特徴】くしゃみ・鼻づまり(寒いと重くなる)・水っぽいサラサラの鼻水
    体が冷えているため、水分代謝が低下しているタイプです。
    体を温めて余分な水分を取り除くことがポイントです。

    風熱タイプ/肺熱型
    【特徴】くしゃみ・鼻づまり(暖かいと重くなる)・粘りのある鼻水・目の充血やかゆみ・のどの痛み
    体の炎症を抑えることがポイントです。

風邪

  • 原因

    ・自然界の邪気「風邪(ふうじゃ)」が体に入り込むことが原因。

中医学では、かぜは自然界の邪気「風邪(ふうじゃ)」が体に入り込むことが原因と考えます。
風邪(ふうじゃ)はすきま風のように体内に侵入しやすく、流動的な性質が特徴です。
頭痛や鼻水、咳、発熱、節々の痛みなど発症する範囲も広く、ひき始めから治りかけまで症状が徐々に変化していきます。
疲労やストレスなどで体内の「気(エネルギー)」が不足していると、体の抵抗力が低下し、かぜにもかかりやすくなってしまいます。
とにかく予防が肝心。
体調をしっかり整えて体力をつけ、かぜを寄せ付けない強い体つくりを心がけましょう。

熱邪のかぜ
急な発熱、体が熱っぽい、のどが痛い、鼻水や痰が黄色く粘りがあるといった症状が特徴です。
まずは体の熱を冷まして、炎症をしずめることが大切です。

燥邪のかぜ
なかなか咳が止まらない、痰が絡むといった長引いたかぜに見られるタイプの症状は「燥邪」が入り込んだかぜ。
マスクや加湿器などを使い、乾燥を防ぐ工夫を

寒邪のかぜ
かぜの初期で、強い悪寒や頭痛、節々の痛み、水っぽい鼻水といった症状が特徴です。
このタイプのかぜは体をしっかり温めることが大切。
温かい服装を心がけ、食事や入浴などで体を芯から温めましょう。

湿邪のかぜ
胃の痛みやムカつき、食欲不振、下痢といった胃腸症状が特徴です。
体内の「湿(余分な水分)」を取り除きながら胃腸の働きを整えるように心がけましょう。

  • 食生活のポイント

    熱邪のかぜ
    涼性の食材で熱を冷ましましょう。

    燥邪のかぜ
    体に潤いを与える食材を。

    寒邪のかぜ
    体を温める温性の食材を。

    湿邪のかぜ
    香りのよい食材で胃の症状を整えましょう。

  • 生活養生のポイント

    ●外出後は、うがい手洗いをていねいに。
    ●睡眠不足はかぜの大敵。十分な睡眠をとりましょう。
    ●新鮮な野菜をたっぷりとってビタミン補給を。
    ●人ごみでは、なるべくマスクの着用を。
    ●体が冷えないよう、温かい服装を心がけて。

症例

蓄膿症・鼻茸

  • 原因

    ・蓄膿症とは【副鼻腔炎】のこと
    ・鼻茸は【鼻の中にできるポリープ】のこと

蓄膿症とは副鼻腔炎のことで、鼻腔(鼻の穴の内側)と隣接する骨の中の空洞(副鼻腔)に炎症が起こった状態を指します。
鼻詰まり、鼻水(鼻)、頭痛や顔面痛など、様々な症状が生じます。
炎症が4週間以内に治まれば急性、12週以上続けば慢性と診断されます。

鼻茸は鼻の中にできるポリープのことで、副鼻腔の内部の粘膜が腫れてキノコ状になったものです。
大きくなると鼻呼吸をしづらくなり、もののにおいがわかりにくくなります。

  • 治し方

    ・痰や瘀血を取り除くのに有効な生薬や鼻の炎症によい生薬の漢方薬を飲む

中医学では鼻は空気の通り道なので「肺」と関係があります。
粘膜をつくるのは食べ物を消化する「胃腸」であると考えます。
また、炎症や鼻汁が黄色く粘り臭くなるのは体に熱がたまっていると考えます。

鼻茸は痰(体液の塊)と瘀血(血が滞った状態)が混ざったものと考えます。
治し方は痰や瘀血を取り除くのに有効な生薬や鼻の炎症によい生薬の漢方薬を飲みながら体質改善していきます。

  • 食生活のポイント

    痰や瘀血などの老廃物が溜まらないようにすることが大切です。
    冷たい飲み物などは胃の消化力を落とすため、避けたほうが良いでしょう。

    *改善に役立つ食品
    ハトムギ(お茶や炊いたもの)、緑豆(もやしや緑豆春雨)、ごぼう、昆布

    *控えたほうがよい食品
    お酒、動物性脂肪、チョコレート

  • 生活養生のポイント

    自然治癒力を引き出すため、早く寝ることが大切です。
    寝ている間に粘膜は潤い、丈夫になって治癒力を高めます。