-
参加報告「健康長寿のために今私たちにできること」
薬剤師の飯沼です。だいぶ風が冷たいと感じる日が増えてきましたね。
今回は「健康長寿のために今私たちにできること」と題して
YouTubeでもLive配信されたイベントの参加報告です。
実は開催された10月11日は、
「世界中医薬の日」と定められた特別な日です。
毎年のその日の前後、世界中で中医薬に関するイベントが開催されるようです。
漢方や中医学に興味のある方は今後この時期のイベントに注目してみるといいかもしれません。
さて今回のイベントで特に印象的だったのは
黒岩祐治神奈川県知事による主題講演です。
神奈川県の施策である「未病の概念普及」を掲げるようになった経緯として、
自身と家族の中医学(漢方)との出会いを盛り込んだお話は
とても分かりやすく、参考になりました。
様々な検査や基準で病気を判断し対応する現代の医療も大切ですが、
人それぞれ健康とは言い切れないちょっとした不調などは誰にでもあると思います。
健康と病気の間を連続的に変化する状態を「未病」といいます。
この「未病」という概念をもとに、病気の治療を受けるという状況になる前に
普段から自身の健康状態を意識して向き合い、健康寿命を延ばしていこうという取り組みです。
大切なことは治してもらう、という受動的なとらえ方ではなく、
それぞれが「未病」を改善し病気自体を防ぐという積極的な意識で
日々の食事や運動、社会参加に取り組むということ。
日々漢方相談でも薬だけでなく食事や運動、生活などお話しすることが多いので、
共感する点や改めて気付かされる点がとても多い講演でした。
漢方薬局が今後もみなさんの健康を保つために
「未病」を改善する手助けになる場所の一つとなればと思います。
そして写真にもあるイベントで紹介があった
「中医学で健康長寿~人生100年時代を楽しむための3つのカギ」
という冊子を現在ウエマツ薬局でもお配りしております。
健康を保つための年代別養生法やおすすめのレシピなど
盛りだくさんの内容です。ぜひ興味のある方はお声かけくださいね。
-
コロナウイルスにも漢方
中国ではコロナ感染者の軽症者には
漢方薬が有効だったそうです。
日本では、医師の国家試験に漢方がないので、
医師で漢方の勉強する人が少ないそうです。
これからは、漢方の勉強がさらに必要になりそうです。
日本では唯一、漢方専門の学校が、本郷にある日本中医学院です。
私は、ここで中国の北京中医薬大学の教授から
本格的な中医学を学び、人生が変わりました。
漢方相談と言う天職に巡り会い、今、とても幸せです。
日本中医学院:https://www.jbucm.com/
-
人は忘れる動物
「人は忘れる動物である」といいます。
我が家の夫はいつも「幸せだなぁ」と言っています。
しかし、今までの人生で何度もすっからかんになったことを
すっかり忘れているようです(いえ、まだ認知症ではありません)。
今コロナで大変な思いをしている方も多いことでしょう。
しかし、いつかそんな大変だったことが、
忘れるときが来るかもしれません。
(写真:散歩道で)
約30年前、夫が48歳の時に、突然会社を辞めました。
再就職した会社では給料を払いたくないので
追い出すために嫌がらせを受け、1年で辞めました。
それから私が行っていた漢方専門の学校、日本中医学院に入り
漢方の勉強を始め、中医学に夢中になり、人生がすっかり変わりました。
3年間学校に行っている間は無収入でした。
私は2人の子供の学費を稼ぐのに死に物狂いでした。
夫は卒業した日本中医学院の経営が危うくなったので、
新しく経営を任され、借金だらけの学校に私財をなげうち
経営再建に奔走し、立派に立て直しをしました。
もともと貯金はほとんどなかったので、さらになくなりましたが、
私は健康でさえいれば働けるから、と健康に気を付け働いてきました。
今、二人とも76歳で元気で働ける幸せを噛み締めています。
当時のことを話しましたら、夫は全く覚えていないのです。
人間はあまりに辛いと忘れてしまうという習性があるようです。
だから生きていけるのです。
今非常に困難な立場にある皆さん、健康でさえいれば
困難があっても切り抜けられます。
コロナウイルスにかからないよう、十分予防と健康に気を付けてお過ごしください。
新しい生活が広がることでしょう。
-
「睡眠、舌診など総合的に判断する東洋医学」薬学部実習生感想文・55
ウエマツ薬局に実習に来られた、
薬学部5年生の感想文をご紹介します。
*漢方に今まで興味を持っていましたか?
いいえ。大学ではほとんど講義がなかったため
*実際に今回体験して感じたこと。
また、将来漢方の仕事をやってみたいと思いましたか?
東洋医学における「腎」はたんなる腎臓という意味だけでなく、
他の臓器との関連性をもっており、全体的に治療していく考え方が面白いと感じました。
問診時にも、例えば鼻水が主状だとしても、食事のバランスや睡眠の状況、
舌診等で確認し、総合的に判断し治療方針を決定しています。
問題点がピンポイントで分からない反面、
話をしながら症状を解決していく姿勢が参考になりました。
形は違えど、今回の実習で学んだことは今後の人生に役立つと考えています。
2020年3月31日 明治薬科大学薬学部薬学科 D.K